最近発表された論文の紹介をしたいと思います。
D Fujita, KR Trijatmiko, AG Tagle, MV Sapasap, Y Koide, K Sasaki, N Tsakirpaloglou, RB Gannaban, T Nishimura, S Yanagihara, Y Fukuta, T Koshiba, IH Slamet-Loedin, T Ishimaru, N Kobayashi (2013)NAL1 allele from a rice landrace greatly increases yield in modernindica cultivars, PNAS DOI: 10.1073/pnas.1310790110
インド型イネの収量を増加させる遺伝子(SPIKE)を明らかにしたという内容です。
私の以前の所属での研究成果で、私も共著者に入っています。
この論文は、筆頭著者の方(現在 九州大学農学研究院 講師)がフィリピンの国際稲研究所でコツコツと研究を続け、得られた成果です。この研究に対する粘り強い姿勢は私もぜひ見習いたいと思っています。
私も良い研究ができるように頑張ります。
このような研究の成果が、インド周辺の国々の食糧事情の好転に寄与するようになればいいですね。
返信削除そうなれば、研究者冥利に尽きるのではないでしょうか?
中原様
返信削除コメントありがとうございます。
途上国の食糧事情は政治や経済的な事情もあり、なかなか一筋縄ではいかないだろうと考えています。ただ、農学・科学技術の面から、そういった問題の解決に少しでも貢献できればと思っています。
論文について補足なのですが、インド型イネというのはインディカ米と呼ばれているものです。(日本ではタイ米といった方がイメージがわく人が多いかもしれません。)このインディカ米は現在アジアやアフリカなどの熱帯・亜熱帯の広い地域で栽培されています。ですので今回の成果はインド周辺だけでなく、インディカ米を主食とする様々な国のコメの増産に寄与することが期待されます。
ちなみに、この遺伝子はインドネシアの在来イネ品種が持っていたものであり、遺伝子組換えに頼らずに通常の交配で品種に導入することが可能です。